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ナックルボールを試合で使う

ナックルボールはメンタルが命

野球の80%はメンタルです。日本のスポーツ界ではあまりメンタルが重要視されていませんし、スポーツ心理学を学ぼうとする動きもありませんが、スポーツにおいてメンタルはそのほとんどを占めます。ナックルボーラーにおいては、メンタルは命とも言えます。危機的状況になった時に力一杯投げれば切り抜けられるようなボールではないからです。自分のコントロールを失ったら終わりを意味します。スポーツ心理学を学びましょう(なるべく海外の書物で学んでください。メンタルに関する日本の書物で良いものを見たことがありません)。
ボール球が続いても、そのことは忘れて次の一球に集中できるか。最高の一球の後に、そのことは忘れて次の一球に集中できるか。それが大事です。
僕の場合、フォアボールで崩れることはありませんが、一番よくあるパターンは、最高の一球の次の球を痛打されることです。2ストライク目に打者がとんでもない空振りをしたら、気をつけてください。打者を三振にとった次のバッターの初球に気をつけてください。僕が米独立リーグの優勝決定戦で浴びた先制ホームランがそれでした。また、違う試合では、前の登板で被安打2で完封していて、その試合でも3回までパーフェクトピッチングをしていて、4回の先頭打者の2ストライク目に打者がとんでもない空振りをして、もう打たれる気がしないと気を緩めた瞬間、ライト前に痛快なあたりを打たれ、そのままコントロールを失って打たれ続け、5回途中6失点で降板しました。
今その瞬間何に集中すべきかということを常に考えてマウンドに立つことが大事です。
常に自分のナックルボールに100%の自信を持って投げましょう。80%の自信ではいいナックルボールは投げられません。しかし、120%の過信でもまた、いいナックルボールは投げられないのです。


スピードよりも回転数

現在、MLBではナックルボールは120km/hを超えます。スピードが早いなら早いに越したことはありませんが、スピードが速くなると無回転を保つのが難しくなります。特に覚え始めはスピードを出すのが難しいですが、その時には慌ててスピードを追い求めるべきではありません。スピードを出せてもせいぜい120km/hで、回転していて変化をしなければ、容易に打てるのは想像できると思います。何よりも無回転を投げることです。100km/h未満でも無回転なら打ちづらいです。
無回転を投げるのに慣れてきたら、だんだんとスピードは上がるものです。そして、もしもスピードを上げたいのであれば、腕を早く振るのでなく、体の使い方(特に足の蹴り)でスピードを上げることを心がけましょう。腕を使うと回転します。


困ったらナックル

これはメンタルとも関連していますが、もしもナックルボールが打たれ始めたり、ストライクが入らなくなったりしても、なるべくストレートでその場を凌ごうとしない方がいいです。特にナックルボールの習得段階であればなおさらです。そうすると、指導者やキャッチャーは「ストレートをもっと使え」と言いだし、ストレートが増えるとナックルボールを投げるのが難しくなり、ナックルボールがストライクに入らなかったり打たれたりすると、だんだんと「ナックル投げなくていいじゃん」となっていきます。
例えば僕はキャッチャーとの相性や、シーズン中の対戦カードによってはストレートを多く使うときもあります。それは戦略的なもので、ナックルボールが軸だという共通認識があってこそです。困ったからストレートを投げているわけではないのです。

これは僕の経験からのアドバイスです。もしもストレートとナックルを混ぜた投球スタイルにしたければそれもありだと思いますし、米独立リーグでもそのようなピッチャーはおり、打つ方も手こずっていました。しかしそのピッチャーのナックルはあくまでもチェンジアップのようなものですから、ナックルボール自体の質は高くはありませんでした。

最終的にはナックルボーラーもピッチャーで、ピッチャーの役割はアウトを取ること。アウトを取りたければ打者の予測を外すことです。ナックルボールは無回転で投げることで打者が予測できない球にします。ストレートを混ぜるにしても打者の予測を外すために投げるのです。
もしも困ったからストレートを投げるのであれば、打者もそれを予測でき、ストレートを待たれます。それならば、困った時にナックルボールを投げた方がマシです。打者はなるべくならナックルボールを打ちたくはないからです。
常にマウンド上では打者を操りましょう。後手に回ってはいけません。これは普通のピッチャーでも同じです。

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